相続放棄

相続放棄をする際は、必ず家庭裁判所で行う必要があります。

遺産を受け取るつもりがないということを、他の相続人に伝えたり、遺産を受け取らないという念書を書いただけで、相続放棄が完了したと勘違いしている方もいるので、注意が必要です。

これらは、法的な相続放棄とは認められません。

確かにプラスの財産は受け取らないことになるかもしれませんが、マイナスの財産については、そのまま相続することになります。

相続放棄は、どこの裁判所でもできるわけではありません。

亡くなった方が最後に住んでいた場所を管轄している家庭裁判所で行う必要があります。

亡くなった方が最後に住んでいた場所は、亡くなった方の住民票除票や、戸籍の除附票で確認します。

相続放棄では、戸籍謄本の提出が求められます。

「特定の方が亡くなったこと」を証明するためには、亡くなったことが記載された戸籍謄本が必要になるからです。

また、相続放棄する人が、本当に相続人であるということを証明する必要があるため、相続放棄をする人の戸籍謄本も必要です。

子が相続放棄する場合は、戸籍の数は少なくて済みますが、親や兄弟が相続放棄をする場合は、かなりの数の戸籍謄本が必要になります。

資料が集まったら、裁判所に提出する書類を作成します。

たとえば、いつ、だれが亡くなり、どんな遺産があるのかなどを書面に記載することになります。

特に、亡くなった日付と、亡くなったことを知った日付がズレている場合、その理由の説明も重要です。

相続放棄には、３か月という期限があります。

つまり、３か月以内に、相続をするのか、相続放棄をするのかを決める必要があるということです。

資料を集めるところから、書類の作成までを行うことを考えると、あまり余裕があるとは言えません。

そのため、相続放棄を行う際は、期限に注意が必要です。